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社員と音信不通になってしまったら…対処法と対策まとめ

1.社員が音信不通になる原因

社員と音信不通になる理由として一番多いのは、単純に会社に行きたくないからという気持ちの問題です。「入社前にイメージしていた仕事よりハードだった」、「退職の意思を伝える勇気がない」、「退職日まで勤務したくない」「在宅勤務だから退職の連絡をするタイミングを逃した」などといった理由から、入社してすぐに音信不通になってしまうことが多いケースです。この場合は、完全に音信不通になってしまうことは少なく、連絡が取れるようになることも多々あります。しかし、一度無断欠勤したうしろめたさから、その流れで退職となってしまうのが一般的です。復帰交渉を行う際には、慎重に行いましょう。

もう一つの原因としては、会社に対して不満がある場合です。このケースは、「単純に会社にいやがらせをしたい」パターンと「現状を変えたい」パターンの2つに分かれます。いやがらせが目的だとすると、連絡を絶ち会社側に迷惑をかけてしまっても何とも感じない社員が多いです。このまま音信不通を続け、退職となってしまっても構わないという心持ちの人ばかりなので、離職する可能性が高いでしょう。このようなケースを今後増やさないためには、離職してしまった社員に関して分析する必要があります。労働環境に問題はなかったか、仕事の負担に偏りはなかったか、パワハラやモラハラ、セクハラなどはなかったかなど身辺調査するのが得策でしょう。一方で、会社の現状を変えたいがために音信不通にしてしまうのは、重要なポジションに就いている人や多くの業務を抱えている可能性が高いです。精神的に追い詰められていっぱいいっぱいになってしまって、連絡を絶ってしまうことも多いので、会社側が諦めずに何度も連絡を取り続けることが大切です。こちらの「聞く姿勢」を示すことで、相手の心を和らげ、職場復帰してくれる可能性が高くなるでしょう。

これはあまり考えたくないことですが、社員が自宅で体調を崩して倒れていたり、死亡しているケースも考えられます。また、突然の事故や病気で入院している場合にも音信不通になってしまいます。うつ病や精神疾患などにかかっていると、自ら連絡を取るのは難しい状態ですが、それ以外は病院と連絡が取れれば、社員の状況確認はできます。また、本人の自宅に訪問したり、家族と連絡を取り合うなどして様子を伺うことになります。通勤中のケガの場合には、労災が適用される可能性もありますので、慎重に対応しましょう。

また、希にあるのが、社員が警察に逮捕、拘留されてしまっているケースです。突然、弁護士や警察から会社に連絡があると驚いてしまいますね。何日か音信不通の状態が続き、本人の家族へ連絡した際に発覚することもあります。この場合には、音信不通の社員への手紙を送るか、警察に面会に行かない限り本人との連絡手段は完全に遮断されてしまいます。逮捕された理由にもよりますが、場合によっては長期間連絡がない場合でも解雇の理由にならないこともありますので、こちらも慎重な対応が必要になります。

2.音信不通の社員への対処方法

長い間連絡が取れなくなってしまった社員がいると、会社側としては「解雇」や「自己都合の退職」、体調不良が疑われる場合には「休職中」という扱いを検討します。しかし、どうして音信不通になってしまったのかの原因がわからないままそのような手続きを進めてしまうのは危険です。何かやむを得ない事情があって連絡できなかった場合、解雇後にその社員から連絡があったら「不当解雇」として訴訟を起こされてしまう可能性もあるためです。解雇等を検討する際には、きちんと手順を追って社員の退職手続きをしましょう。

まずは、会社の就業規則を確認しましょう。就業規則には、「○○日以上の無断欠勤が続いた場合には解雇とする」というように退職や解雇の条件についての記載があります。まずはその基準を頭に入れながら、会社としてできる限りのことはしてみましょう。例えば、緊急連絡先に定期的に連絡してみたり、手紙を書いたり、自宅を訪問してみたりできることはたくさんあります。これらの手段を行った際には、最終的に「会社としてこれだけ社員と連絡を取ろうと試みたが、連絡が取れなかった」と結び付けるために訪問や電話をした日時や電話に出た人の名前を記録しておきましょう。そしてもし、どんな手を尽くしてもその社員と連絡が取れなかった場合には会社の規程に則って解雇手続きに入りましょう。

一般的に、音信不通の社員の解雇には書面での手続きを行います。「内容証明」や「公示送達」を用いて「〇月〇日までに連絡がない場合には、あなたを解雇します。」という内容の解雇通知を作成し送付します。普通の手紙だと、相手に「そんな手紙は受け取っていない」と言われてしまうと効力を発揮しません。しかし、内容証明や公示送達は、相手が受け取ったことの証明にできるオプションが付けられるため、家族でも本人でもその書面を受け取った時点で効力を発揮します。受け取った証拠が残っているのに返信していないことが明らかになれば、会社が解雇の手続きを進めても問題ないという証明になるので、この手段は必ず取っておく必要があります。もし、どうしても直接会って話がしたいということであれば、探偵(興信所)に依頼して人探しをしてもらうのも一つの手です。

なお、音信不通になってしまった社員といえど、会社として最後の給与は支払う義務があります。しかし、保険証や更衣室の鍵など回収しなくてはならない備品がある場合には、給与を先に支払ってしまうと回収がさらに難しくなってしまうことが考えられます。このような事態を避けるために、最後の給与は現金渡しに変更し、貸与物と交換する形で支給しましょう。退職金の支払いや年金手帳、離職票、源泉徴収票についても貸与物を受け取った後に渡すようにしましょう。可能であれば、社員から退職届を受け取っておくと良いです。

3.解雇予告通知書、解雇通知書、退職通知書の書き方

社員の音信不通や休職中の退職処理として、会社は対象の社員に対して解雇、する意思がある旨を伝えるために「解雇予告通知書」や「解雇通知書」「退職通知書」を作成しなくてはなりません。通常、退職や解雇予定日の1ヶ月前に対象の社員に解雇予告や退職通知をする必要があります。法律上では、口頭での通知でも問題はありませんが、のちのち言った言わない問題にならないように書面で残しておく必要があります。解雇通知書には、その社員を解雇する理由が明記されているため、解雇の有効性を証明するのに重要な書面となります。社員が不当解雇を理由に損害賠償を求めて裁判を起こした際にも重要な証拠となるものですので、きちんと作成する必要があります。

まず、解雇予定通知書とは、解雇予定日の30日前までに対象の社員に会社が解雇する意思を伝える書面です。解雇までの予告日数が30日に満たない場合には、会社は解雇する社員に対して解雇予告手当を支払う必要があります。書面には、「無断欠席が続いているため」など解雇理由を記載します。この際、「態度を改めなければ、30日後に解雇します。」といったような条件付の予告は認められていません。また、解雇予定通知書のコピーには社員の受領印をもらわなくてはなりません。しかし、社員と音信不通である場合には、解雇予告通知書を手渡せないケースが多いでしょう。その場合には、内容証明郵便で送付します。内容証明郵便であれば、受領印がなくても社員が解雇予告通知書を受け取ったことの証明になります。

そして、「解雇通知書」とは、即日解雇する場合や、入社してから14日以内の使用期間中などの社員に対して解雇を通知する書面です。解雇予告手当として30日分の賃金を支払って解雇する場合にも解雇通知書の作成が必要になります。「解雇する社員の氏名」、「社名または代表者名」「退職(解雇)通知書の作成日」「解雇する日付」「解雇の意思表示」「対象となる就業規則の規定」は必須事項となりますので必ず記載しましょう。本文の例文としては、「当社は、貴殿を当社の就業規則〇条〇項に基づき、〇月〇日をもって解雇いたします。なお、労働基準法20条の定めにより解雇予告手当金○円をお支払いいたします。」という形にします。

また、退職通知書とは、退職日の前にあらかじめ本人に就業規則に則って退職となることを通知する文書を指します。退職通知書のテンプレートは、ネット上にたくさんありますので、そちらを参考にしても良いですが、最低限記載しなくてはならない内容は解雇通知書と同じような内容になります。例えば、病気で休職扱いとなっていた場合には、「貴殿は〇年〇月〇日より、病気療養として休職扱いとしておりましたが、就業規則〇条〇項に基づき、〇年〇月〇日より休職期間が満了となります。○○〇といった理由により、〇年〇月〇日をもって退職となりますことをここに通知いたします。一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。」といった内容になります。無断欠勤が続いている場合には、「〇年〇月〇日より〇年〇月〇日までの〇日間、無断欠勤が続いており、こちらからの再三の連絡にも応じる意思が見られなかったため、就業規則〇条〇項に基づき、〇年〇月〇日をもって自己都合により退職したものとみなします。そのため、速やかに退職届を送付願います。○年〇月〇日までに退職届を発送頂けない場合は、懲戒解雇となります旨をご了承ください。」といった内容にします。

4.パートやアルバイトの退職手続き

社員よりも音信不通になる人が多いのがパートやアルバイトです。特にバイトのバックレは非常によく起こることで、酷い場合にはバイトの面接後やバイトの採用後にそのまま無断欠勤となるケースもあります。こういったケースに備え、退職処理について覚えておくと良いでしょう。

パートやバイトの解雇は、無断欠勤や音信不通が2週間以上続いた場合に行うことができます。そのため、相手からの連絡を待つ期間やこちらから連絡、訪問して様子を伺う期間も含めて、音信不通1ヶ月で手続きを始めると良いです。その1ヶ月の間に、メールや電話でこまめに連絡を取るよう試みます。また、連絡が取れなかった場合に備え、新しいバイトの募集もかけておくと良いでしょう。メールの例文としては、「ここ数日無断欠勤となっていますが、どうされましたか?返信頂けると幸いです。もし、このまま連絡をもらえない場合には、内容証明郵便の送付や自宅訪問をさせていただきます。そして、最終的には就業規則に伴い、懲戒解雇となりますことをご了承ください。」というように記載します。決して相手を責めるのではなく、自主的なバイトやパートの退職を促すような文面にするのがポイントです。

社員のケースと同じように、最後のバイトの給料も手渡しに変更し、制服など貸し出している備品がある場合には給料と交換で渡すようにしましょう。対応について心配なことがある場合には、Yahoo!知恵袋などにも経験談がのっていますのでそちらを参考にすると良いです。バイトの場合は、社会経験を経ていないために、自主性の意識が薄い人が多いものです。会社としては、退職させる際には、自己都合という扱いにさせたいので、自主的に退職の意思を示してもらえるように、こちらから誘導することも重要なことです。

5.音信不通者とはこちらからも歩み寄る努力を

音信不通になってしまう社員の中には、自己中心的に連絡を絶っている人も多いですが、会社からの連絡を待っているケースもあります。会社からこまめに連絡をすることで、徐々に社員の心が開いていく事例も多くありますので、連絡が取れなくなったからといってすぐに諦めてはいけません。音信不通になってしまった社員が悪いと一方的に決めつけるのではなく、何がそうさせてしまったのか、会社側でも検討を重ねお互いに歩み寄ることが同じようなケースの再発防止にも繋がります。まずは相手の話を聞く姿勢を取りましょう。

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