・中古車屋での取引中、顧客が音信不通になってしまった
「中古車屋さん」「中古車ディーラー」と呼び名は様々ですが、その仕事の中には「中古車の仕入れ」「中古車の販売」が含まれます。仕入れ方法は複数ありますが、企業間・中古車グループ間の在庫からの仕入れを除けば、「中古車を売りたい顧客」との取引が一般的です。これは直接持ち込んでもらった中古車を買い取ることもあれば、ヤフオク、中古車専門のオートオークションなどが挙げられます。
けれど信頼のおけるオートオークションではなく、「一般人の顧客とのやりとり」になる買取査定・ヤフオク購入では、一度は連絡を取りはじめたにも関わらず、ふとしたタイミングで相手が音信不通になってしまうこともあります。相手にとってもリスクが大きいだろう音信不通はどうして起きてしまうんでしょうか。
・顧客が音信不通になるのはどうして？
顧客が音信不通になる場合、「取引をしたくない・進めたくない理由が出来た」ことが一番考えられる要因です。その場では取引を進める意思を示したものの、帰宅してからやっぱり査定額に納得が出来なかった、後から別の査定を受けてより良い額を提示されてしまった、他にも「親戚に譲ることになった」といったケースもあります。
それならそれで、ちゃんと中古車屋側にも一報を入れるのが筋ではあるものの、「連絡が面倒」「ついつい忘れてしまった」、はたまた「連絡しなかったら契約解除されるだろう」という見積りで連絡しない人も少なからず居ます。中古車屋側としてはとても迷惑な話ですが、とんでもない理論で正当化する人は珍しくもないんです…。
・顧客自身に問題が発生しているケースも
また、これは特に独身の顧客にありがちですが、「顧客自身が怪我や病気など、突発的な事態で連絡や取引が進められなくなっている」ケースです。顧客自身が連絡が取れなくなっても、家族が居れば何度か連絡すれば家族に繋がる、家族から状況が伝わるものですが、顧客自身が身動き取れない・連絡出来ない状態であれば結果として音信不通になってしまいます。
・顧客が音信不通になってしまった時の対処法
ある程度契約の話が進み、顧客の連絡先だけでなく住所も把握している状態での音信不通なら、まずは時間をかえて何度か自宅住所を訊ねてみましょう。仮に郵便物が溜まっている、同じ洗濯物が数日干しっぱなし状態なら、なんらかの異常が発生している可能性もあります。
相手の住所がアパート・マンションなら、管理会社に「こんな風になってるんですが、中の人大丈夫でしょうか」という報告をすることで、開錠からの安否確認をしてもらいましょう。この時、自分の立場や連絡をした動機などもきちんと伝え、本人の安否確認が出来たかどうか、折り返しの連絡を貰えるようにすればベストです。一軒家ではこうした管理会社を通じた安否確認は出来ません。警察相談専用電話に相談するなど、対応を聞いてみましょう。
顧客の自宅に問題性はなさそう、居留守を使われている場合、特にまだ支払いなどの段階に進んでいないのならそれ以上関わるだけ時間の無駄です。自分の店舗でのブラックリスト入りを済ませて、契約も解除してしまいましょう。中古車販売業なら、顧客との契約書には「音信不通」に対する項目もあるものでしょうし、その通りの履行をしてしまって問題ないでしょう。
ただし中古車屋側が顧みた方が良い点としては、「音信不通になるほど、威圧的でなかったか」という点もあります。車は大きな金額が関わる取引であり、性急に話を進めたり、威圧的だと感じられてしまうと、顧客からの信頼が得られません。もちろん、ディーラーとして誠意のある対応を心掛けている人がほとんどでしょうが、よく相手の様子を思い返してみるのも大切です。
・支払いの場合、支払期限から5年で消滅時効に！
問題は、車両代の回収であれ、車両キャンセル料であれ、「あるべき支払いをしてもらえていない顧客が音信不通」となっている場合の対処です。弁護士を通じた内容証明郵便などで文書の請求、それでも駄目なら訴訟での手続きを進めるなど、時間と費用がかかる手段を取る必要が出てきます。もし住所がわからない場合も、弁護士に依頼する事で車検証の取得から住所調査が出来る可能性もあります。
ただ、「支払いが出来なくて音信不通」になるからには、相手には支払い能力がない、訴訟をしても訴訟費用を含めた回収が出来ないこともあります。かといって、泣き寝入りをするよりは弁護士への相談、もしくは自動車購入協会の事業者向け相談窓口の利用など、専門家の知恵を借りてからの結論でも遅くはありません！
こうした支払いにも時効があり、「支払期限から5年」で消滅時効となってしまいます。逆に言えば、5年未満であればまだまだ支払われる・支払わせることが出来る可能性は残っています。もう何年も前の話だから、勉強代だと思ってと諦めずに、払うべきものを払ってもらう強い気持ちも必要です！
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