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音信不通の前妻の子にも相続の権利はある?法律相談は行政書士にできる?

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遺産相続では無視できない前妻の子の権利

遺産相続においては、相続の権利がある相続人全員が遺産分割協議に同意する必要があります。相続人の範囲は広く、被相続人に配偶者や隠し子などがいる場合には、その親と被相続人に婚姻歴があってもなくても、子供は相続人となるからです。相続人となるということは、遺産分割協議での同意も必要という事となり、同意を得られなければ遺産相続の話し合いが先に進まないリスクもあるのです。

前妻の子がどこに住んでいるからわからない!どうする?

前妻の子供がどこに住んでいるか、相続筆頭人が把握していれば、それほど大きな問題はないかもしれません。しかし交流がなくてどこに住んでいるか分からない場合には、被相続人の戸籍を頼りに相続人の戸籍の附票から一人ひとりの相続人の住所を調査し、相続依頼の手紙を送るといった作業が必要となります。

こうした作業には労力や時間が必要ですし、故人への悲しみを抱えながら法的な手続きをすることは精神的にも大きな負担となるでしょう。そのため、相続の手続き代行を含めてできるだけ早い段階から法律相談することをおすすめします。また相続人の居場所不明や音信不通の場合には、行政書士等遺産相続人の調査に関するプロに依頼する方法がおすすめです。

法律相談はどこにすれば良い?

相続に関する法律相談の窓口は、複数あります。まず、相続で揉めそうな場合には、トラブルを解消するプロである弁護士へ相談するのが賢明です。前妻の子がいる場合や、相続人がどこに住んでいるか分からないような場合には、弁護士へ相談するのが問題解決への最短となることが多いでしょう。

もしも遺産相続で揉める心配はないけれど相続税の支払いが発生するのなら、税理士へ相談することもできます。また、相続で揉める心配がなく、相続税の支払いが発生しない場合には、法的な手続きに関して行政書士や司法書士などが窓口になってくれます。これらはすべて法律に関するプロですが、得意な分野やできる作業の範囲が異なります。また、かかる費用も違うため、注意が必要です。

ちなみに、遺産相続の順番や手続きが全く分からない時には、行政書士へ相談するのがおすすめです。行政書士は法的な調査や手続きができるプロフェッショナルで、遺産分割協議書の作成から相続手続き、また遺言の執行など幅広い作業に対応してくれます。

ただし、行政書士は弁護士ではないため、法的なアドバイスをしたり、他の相続人へ交渉をすることはできません。また、相続放棄に関する申述手続きや不動産の名義変更などに関しても、残念ながら対応することはできません。そのため、ケースバイケースでは弁護士など別の法律のプロへ相談しなければいけないこともあるでしょう。

前妻の子は遺産相続でどのぐらいの権利がある?

遺産相続においては、被相続人の子供はどの結婚で生まれた子供でも、相続分は変わりません。被相続人に対しては、前妻の子も実子であることに変わらないからです。もしも前妻の連れ後を婚姻期間中に養子縁組している場合には、血縁関係がなくても実子と同じ扱いとなり、法定相続分は実子と同じ割合での権利が発生します。

それでは、前妻の子供はどのぐらいの法定相続分があるのでしょうか?被相続人の配偶者は、資産の2分の1を法定相続分として相続することができます。被相続人の子供たちは、残りの2分の1を均等で分割します。つまり、前妻の子供も含めて被相続人に子供が3人いたとしたら、被相続人が残した遺産の2分の1を3等分した分が、子供一人当たりの相続分として計算されます。

前妻の子には遺留分の権利もある

遺留分とは、法律に基づいて最低相続できる割合を示します。遺言書によって、自身の法定相続分よりも低い相続分を指定されていた場合、遺留分を請求すればその分は遺言書よりも優先されます。例えば、「妻との間にできた子供に財産の全てを相続させる」と遺言を残したとしても、前妻の子供が遺留分を主張すれば、その分は認められます。

遺留分とは、法定相続分とは異なる相続割合となっています。もしも相続人が配偶者と子供の場合には、子供の相続分は全体の2分の1を子供の数で均等分したものとなりますが、遺留分は全体の4分の1を均等分した金額となります。

もしも前妻の子供の存在に気付かずに遺産相続の作業を終えてしまった後でも、前妻の子供が相続人であることを主張して遺留分の請求をすれば、法的に認められることになります。気づかなかったから仕方ないというわけではありませんし、やり直すことによって経済的な負担という点でもマイナスの影響があるかもしれません。相続のやり直しとなって後から大きなトラブルに発展しやすいため、注意が必要です。後から後悔したり大きなトラブルにならないためには、最初の相続人調査の段階から慎重にていねいに行うことがとても重要です。

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