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中途採用試験中に音信不通になってしまったら…段階別の注意点まとめ

1応募者が音信不通になってしまうタイミングと原因

このところ、中途採用試験において、応募者と連絡が取れなくなってしまうケースが増えており、採用担当者を困らせています。まずその対策を考える前に、どんな場面でよく応募者と音信不通になってしまうのかそのタイミングと原因を把握しておきましょう。

応募者と音信不通になってしまうタイミングとして一番多いのは、選考への応募の連絡が来た後に、面接の日程を決めようとこちらから連絡した段階です。応募者に提出書類の連絡をしたものの、何も返事がないということもあります。この場合、企業側からの返信スピードが遅いから連絡がつかないことが理由になっている可能性があります。企業からの返信が遅いと、「この企業は対応が良くない」、「応募者に対しての態度が悪い」などと感じてしまいます。そうなってしまうと、「本当にこの企業で働くべきなのだろうか」と不信感を抱くようになり、応募者が連絡を返さないという事態に繋がってしまいます。そして、連絡を待っている間に他の企業で内定が決まってしまったら、そちらで入社手続きをしてしまうため音信不通になってしまいます。このようなことが多発する場合には、企業側は、返信が来ている人と来ていない人の割合を導き出し、対策に備える必要があります。

また、「面接前日・当日」も応募者と連絡が取れなくなることが多いタイミングの一つです。選考辞退のタイミングも同じく「面接前日・当日」が多く、面接当日にドタキャンしてしまう人も少なくありません。面接日程をリスケジュールした後に突然音信不通になるケースもあります。例えば、エンジニアのような技術職の場合、複数の企業が同時に中途採用の選考をしていることが多くあります。そのため、複数の企業に応募している人であれば、他社での選考がうまくいっていると、もう一つの企業への連絡を忘れてしまうという可能性も考えられます。その場合、「企業の魅力が伝わっていない」ことが原因である可能性も否定できません。この企業に就職すれば良いことがたくさんあると応募者に思わせることができるような採用活動しなくては、応募者の志望度は下がってしまいます。

そして、最も企業にとってダメージが大きいのが、内定を通知したにもかかわらず、応募者からの連絡が途絶えてしまうケースです。この場合、当然内定取り消しとなってしまいますが、せっかく時間をかけて採用活動をしたのに、また一から採用活動をしなくてはなりません。こういった事例が頻発しては、企業の経営にも悪影響が出てきてしまいますので、なぜこのようなことが起こってしまうのか原因を解明する必要があります。中には、「選考期間が長すぎたために負担が大きく、とんとん拍子に決まった他社に入社を決めた」という応募者もいます。転職活動はただでさえ肉体的、身体的疲労が大きいものです。そこで3度も4度も面接地に赴くようなことが重なると日程を合わせるのも大変ですし、応募者にとって大きな負担となります。せっかく自社に興味を持ってくれた人も、長い選考期間中に途中で気が変わってしまう可能性が大いにあります。

また、ドタキャンされた後に、完全に連絡が取れなくなってしまうケースは、全体の約73%を占めています。それ以外には、メールや電話で選考辞退の連絡があるパターンも多く存在します。応募者が音信不通にしてしまう理由には、どのような内容があるのでしょうか。

2.応募初期段階における応募者の音信不通に対する対策、注意点

まず、第一に応募者に不信感を抱かせないようにすることが重要になります。そのために採用に関する連絡はこまめに通知しましょう。面接日程が決まっていないからまだ連絡しなくてもいいか…と日が空いてしまうと応募者は「連絡がこないな。あの求人は大丈夫かな。」と不安になってしまいます。「現在日程調整中です。」などと一言でも連絡を怠らないことで繋ぎとめておける応募者もいることを覚えておきましょう。

中途採用の応募者は、大半が仕事をしながら転職活動をしていることが予想できます。忙しい毎日の中で、履歴書や職務履歴書をきっちりと書こうとすると応募者にとってかなり負担になってしまいます。これまでは一般的に、「履歴書や職務履歴書の内容が充実している=その企業で働きたいという強い意志がある」と考える企業が多かったために、時間をかけて履歴書等を作成する人が多かったのです。しかし、履歴書がいくら素晴らしかったからといって、仕事が出来る人であるとは限りません。履歴書はある程度定型化されているものですので、ポイントを掴めばいかようにも良く見せることが出来てしまいます。そのため、採用活動にあまり時間をかけたくないという企業では、重要なポイントだけを押さえて効率よく選考を進める方法を取っています。例えば、履歴書の代わりにアンケート形式を取り入れて応募に対するハードルを下げるのも一つの方法です。応募者がせっかく求人に興味を持ってくれても、エントリー方法で負担が大きいと応募意欲が下がってしまっては他社に流れてしまう可能性があります。優秀な人材ほど選択肢が多いため、多忙を極めています。そこに注目し、なるべく初期段階での選考をシンプルにする工夫をすると良いでしょう。

また、応募要項では多くの項目を要求しすぎない方が良いでしょう。一つでも自分に当てはまらない部分があるとわかると、応募者は履歴書の提出を諦めてしまいます。もちろんエンジニアのような特殊な経験を必要とする職種であれば、要求は増えるでしょう。しかし、例えば一般事務やWEBライターなど比較的その分野での経験が少なくても仕事が成り立つ仕事で、「○○年以上の経験がある方」や「経験者優遇」などと門戸を狭めてしまうと、その業種が未経験の人は「私には無理かな」と応募を諦めてしまうでしょう。応募者の総数を増やすためには、最初の応募条件の段階で選別するのではなく、次なる面接などのステップにひとまず進めるようにすることが大切です。

さらに、応募の初期段階で「ぜひ採用したい」と思える応募者がいた場合には、音信不通になってしまっても、こちらからのコンタクトを途切れさせないこともポイントとなります。何度もこちらから連絡をするという行為は、工数が嵩むためあまり実行していない企業が多いです。音信不通になってしまった=その企業に興味がなくなってしまったということには必ずしもなりません。応募の意欲があっても、忙しさや自信のなさから諦めてしまっていることも考えられます。しかし、忙しい採用担当者にとって、一人の応募者に対して何度も連絡を取り続けるのは骨の折れる行為です。もし時間と労力に余裕がない場合には、採用代行に頼みましょう。

3.リスケジュールが多い応募者や面接後の音信不通に対する対策、注意点

面接当日に予定通りの時間に現れなかったり、都合が悪くなりリスケジュールする応募者も少なからずいます。社会人としてドタキャンはマナーがなっていませんが、そうゆうことをする人がいるという事実を受け止め、対策を施すしかありません。リスケジュールやドタキャンが相次ぐ場合には、面接の日程の直前にリマインドの通知を送ると良いでしょう。その内容は、「本日(又は明日)○○時からお待ちしております。」と時間を明記し、予定を思い出させるものにします。なぜ企業側がそこまでしなくてはならないのかと疑問に思う方もいるでしょうが、現在の採用市場を理解して、それに合わせた採用活動を行うことも優良な人材を採用するための一歩となるのです。

面接後の応募者を繋ぎ留めておくポイントとしては、まず面接中の面接官が誠実な対応を心がけることです。なるべく応募者が緊張しないように場を和ますような言葉を投げかけたり、「あなたに興味がありますよ。」という雰囲気を出すようにしましょう。」質問の内容に関しては、定型文の言い回しばかりではなく、相手に合わせた内容にすると良いでしょう。また、「面接にお越しいただきありがとうございます。合否の結果は○○日後にご連絡します。」と応募者にメールを送りましょう。

応募者とのコンタクトを途切れさせないためには、連絡手段を再考するのもポイントの一つです。特に最近の若者は、知らない番号からの電話には出ないというスタンスが当たり前です。また、メールも一週間に一度しか開かないという人も多くいます。若者が日常的に使用しているLINEやInstagramのメッセージ機能を採用の際の連絡手段として取り入れるなど時代に合わせた工夫も必要となるでしょう。

4.内定通知後に音信不通となる応募者に対する対策、注意点

内定者として決定通知を送った後、入社前に本人と音信不通になってしまうケースも意外にも多く発生しています。採用担当者にとってこれは重大な問題です。今後同じような事案を発生させないように、どれくらいの確率で内定後の音信不通や入社辞退が起こっているのか調査、分析する必要があります。

メールや書類でのやり取りや面接という選考を経ていく中で、応募者が想像していたイメージと企業の実態の乖離が生まれてしまうのは、仕方がないことです。そのため、応募者から入社辞退の理由を明確にした連絡が来たら、諦めるしかありません。しかし、お互いに労働条件等に関して合意の上で内定後に音信不通となってしまうケースが重なる場合には、企業側に何か見えない問題がある可能性が高くなります。

基準とするのは、面接後1~2割以上の確率で応募者から音信不通になってしまっている場合です。面接の内容や面接官の態度、面接時間が適切であったか、不適切な質問はなかったかなど見直さなくてはなりません。応募者側が実際に面接を受けてみて企業に不信感を抱くケースは少なからずあります。面接官の態度が悪いと「この企業は労働環境が悪いのでは?」「不愛想な人しかいないのでは?」と不信感を抱かれてしまいます。面接は、もちろん企業側が候補者を選考する場でもありますが、応募者が企業を見定める場でもあることを忘れてはいけません。一時期、応募者の根性を見極めるために圧迫面接に力を入れている企業もありましたが、あまり得策とは言えません。応募者の気持ちになって、この企業で働きたいと思えるような面接内容にする必要があるのです。そして、採用担当者は「企業の顔」であることを忘れずに丁寧な対応を心がける必要があります。

ちなみに内定通知の他に労働条件通知書というものがありますが、この二つは別物扱いになります。通常の流れではまず内定通知書が内定者に送られ、入社承諾書が企業に返信されます。入社承諾書には、有効期限があり効力を永遠に発揮する訳ではありません。労働条件通知書の承諾をもって、入社の双方合意となります。したがって、内定通知書を送った段階で音信不通となってしまうと労働条件通知書は発行できない状況になります。時折、内定通知書と労働条件通知書を同時に発送してしまう企業がありますが、厳密にいえばこれは間違いです。相手から内定通知書に対して受託の意思が示されていない段階で採用の意思を決定してしまうことになるためです。きちんと順を追って書類を発送することでトラブルが起きる心配がなくなります。内定通知書への返信がない場合には、内容証明で「受託しないと内定が無効になる旨」を何度も伝えたり、2回目以降は書留で通知するなどして対応してみましょう。

5.時代に合わせた採用活動を

時代が流れるにつれて、採用方法や応募者のキャラクター、主要な連絡手段も変わってきています。ひと昔前では当たり前だったマナーやルールも今では通じないなんていうこともよくあります。現代を最前線で生きる応募者たちとうまく付き合っていくには、たとえ採用活動という短い期間だけでも、相手に合わせた誠実な対応が求められてきます。昔のやり方ではなく、今のやり方で採用活動を行うようにすればきっと優秀な人材が音信不通になることなく入社してくれることでしょう。

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